Cinema

横浜流星と広瀬すず、藤井道人監督作『You, Like a Star』で再び共演

Martha Lucas
Aggiungici su Google

瀬戸内海の島で暮らす10代のふたり。家族から求められるものばかり多く、与えられるものは少ないなかで、互いの存在だけが確かな足場になる。だが、凪良ゆう(Nagira Yuu)の小説がよく知られているのは、初恋だけで物語を終わらせないところだ。海は漫画家を目指して東京へ旅立ち、暁美は家計を支えるため島に残る。小説は17歳から32歳までのふたりを追い、藤井道人(Michihito Fujii)監督が映画化した『You, Like a Star』も、同じ15年間を描くことをうたっている。

この年月こそが、作品の成否を左右する賭けだ。凪良の小説は本屋大賞を受賞し、100万部を超えるベストセラーとなった。恋人たちがそれぞれの視点から隔たりを語る章立てが、作品の評価を築いてきた。藤井が主役に迎えたのは、日本の観客がこの役に望むであろう横浜流星(Ryusei Yokohama)と広瀬すず(Suzu Hirose)。さらに、国内公開に先立って国際プレミア上映が行われる釜山も舞台に加わる。藤井に求められるのは、ふたりの声で紡がれる小説を、外側から眺める映画へと変えても、その魅力を保てると証明することだ。

YouTube video

このキャスティングには、作品をもう一度書き直すような意味合いがある。横浜と広瀬は、これまでにも凪良作品の映画化で顔を合わせている。前作は、彼女の別の受賞作を李相日(Lee Sang-il)が映画化した『流浪の月』。広瀬は物語の中心となる女性を、横浜は彼女と、信頼を寄せる男性との間に立ちはだかる独占欲の強い恋人を演じた。今回は障害となる側ではなく、恋物語を紡ぐもうひとりの当事者だ。藤井は、主演の存在があったからこそ本作が実現したと語り、「横浜流星の燃えるような確信から生まれた映画」と表現。自分もその思いに応えたいと付け加えている。東宝がこれまでに公開したスチール写真は2枚ともふたりを一緒に捉えており、宣伝もこの組み合わせを軸に展開されている。

藤井の海外での評価は恋愛映画によって築かれたわけではないが、涙を誘う『余命10年』も手がけている。彼の名を広く知らしめたのは、報道機関への国家権力の圧力を描くニュースルーム・スリラー『新聞記者』、そして逃亡劇『最後まで行く』だ。後者では日本アカデミー賞で藤井が最優秀監督賞、横浜が最優秀主演男優賞を受賞した。ほかにも、ヤクザの年代記『ヤクザと家族 The Family』、横浜を主演に迎えた村を舞台にしたスリラー『ヴィレッジ』、横浜も出演したNetflixシリーズ版『新聞記者』を手がけている。こうした作品に繰り返し登場するのは、組織や暴力団、省庁、裁判所が、ひとりの人間が何者になれるかを決めてしまうというテーマだ。凪良が描く島もまた、同じ性質を持つ小さな制度のような場所。娘の務めが、本人に代わって決められてしまうところだ。

脚本を担当するのは安達奈緒子(Naoko Adachi)。このクレジットは、いつも以上に重要な意味を持つ。安達は『きのう何食べた?』や、NHKの朝ドラ『らんまん』を手がけてきた。筋書きの大きな転換よりも、日常の時間をじっくり描くテレビ作品だ。一方、凪良は小説を「非常に緻密に」構成したと語り、枝葉を豊かに伸ばすには、幹にあたる暁美と海の気持ちが揺るぎないものでなければならなかったという。映画化では、どの枝を切り落とすかを決めなくてはならない。小説では一人称が交互に入れ替わる構成が物語の骨格だが、脚本が独自の仕掛けを見つけられなければ、映画では心の声が視線や沈黙に置き換わり、観客は手がかりなしに読み取ることになる。

宣伝だけでは答えが出ない疑問も残る。東宝が掲げる「愛する人のためなら、人生を間違えたい」というキャッチコピーは物語を涙を誘う作品として打ち出し、日本での宣伝も、観客を泣かせるための映画だと率直にアピールしている。しかし、凪良自身の立場はもっと醒めている。「人は完全には分かり合えない、というのが私の基本的な考えです」と、書籍情報サイト「本のひきだし」に語った。2時間を超える涙の物語と、理解し合うことの限界を描く小説は、同じ企画とは言い切れない。これまでに公開された情報からは、藤井がどちらの作品を作ったのか、まだ見えてこない。アジア以外で配給が決まった地域もなく、日本とアジア各地での公開が確認されている一方、北米やヨーロッパの配給会社は発表されていない。

藤井道人監督作『You, Like a Star』の場面写真に登場する横浜流星と広瀬すず
『You, Like a Star』(2026年)の横浜流星と広瀬すず

主演ふたりを取り巻くキャストには、小説に登場する大人たちが並ぶ。海が描く漫画の作画を担当する久住尚人役は松村北斗(Hokuto Matsumura)。東京の出版業界で編集者を演じるのは、中村アン(Anne Nakamura)と濱田岳(Gaku Hamada)だ。島での物語を形づくるふたりの母親、海の母と暁美の母には、尾野真千子(Machiko Ono)と木村佳乃(Yoshino Kimura)が扮する。石田ゆり子(Yuriko Ishida)も出演し、小説では島の化学教師である北原役を長谷川博己(Hiroki Hasegawa)が演じる。音楽は大間々昂(Takashi Omama)、主題歌「ゆづつ」はRADWIMPSが担当。TOHO StudiosとDragonfly Entertainmentが製作し、東宝が配給する。

『You, Like a Star』は、第31回釜山国際映画祭の「A Window on Asian Cinema」部門で10月7日に上映される。チケットは予約開始と同時に完売し、藤井と横浜も会場に出席する。日本では2026年10月9日に劇場公開。上映時間は135分だ。続いて香港では10月29日に公開され、韓国では10月にロッテシネマ限定で上映される。台湾、タイ、ベトナム、インドネシアを含む、少なくともアジア6地域での公開が予定されている。アメリカとイギリスでの公開は、まだ発表されていない。

キャスト

Foto: The Movie Database (TMDB)

Tag: , , , , ,

Aggiungici su Google

Discussione

Ci sono 0 commenti.